8.31.2012

懐かしい響きに新しい予感 V/H/S



突如 現れた、 古めかしい映像機械を冠にしたホラー作品。 VHSと言いながらウェブカムも出てくるが^ ^ いわゆるフッテージPOVもの、 あるいはフェイクドキュメンタリー。 しかしながら複数の監督、 6つのエピソードによるアンソロジーというところが新しいかもしれない。 新しいだけでなく極めてエグく、 予想を超えるイマジネーションにあふれるところが、 また この手か、 という印象を抜け出して21世紀型モダンホラー? の行き着いた先という感慨すら覚える。

断片の寄せ集めでありながら、 世の中には存在するであろう '小説より奇なり' な物語に裏打ちされて、 ショッキングなシーンだけを並べたお得パッケージとも言え、 ある意味、 投稿もののビデオなどと同等でありながら 'スローでもう一度' がないだけ格調があるとも言える。

ようするに、 意外によくできている^ ^ この路線というのは さまざまな作家を刺激するようで、 行き詰まらずに次から次へと面白いものが出てくるものだ。 心霊から魔、 猟奇こちゃまぜの何が何だかわからない映像体験が低予算でできるのも、 この路線の捨てがたさだろう。 これは must see だし、 V/H/S 2 も期待したいところ。

(追記2013.6/14) 第2弾登場!
(追記2013.6/14) 第1弾がシンドロームとか余計なフレーズがくっついて公開となるもよう。
(追記2014.12/12) 第3弾登場!




V/H/S シンドローム (2012) 日本公開2013.7/13  
監督 デビッド・ブルックナー タイ・ウェスト レディオ・サイレンス チーム 他 
脚本 サイモン・バレット 他 

8.30.2012

亡きキム・ジョンイルに捧げる 「ディクテーター」



"21世紀のチャップリン" と、 せいこうさん、 上手いことを言っておりました。 もちろんチャップリンに下ネタは登場しないものの^ ^ 独裁国家の風刺から、 最後は民主国家の風刺へとつながるところなどは、 まじめに反骨。 ギャグはつまらないものから冴えたものまで満載で、 ある意味むずかしいネタも多いので上手な字幕がついていることを祈る。

このところ何本か未エントリーの作品がつづいて、 ここには記録しているものの不作の8月、 多少はスカっと終えられそう。 それ以上はコメントしずらい部分も多分にある作品ではあるが^ ^ すぐに公開されるので、 とりあえずは劇場にふらっと飛び込んで、 残暑を乗り切る英気を養っていただけたらと思う。 意外なところで登場するノークレジットのビッグネームにも乞うご期待。 エントリータイトルは のっけからのテロップのギャグ^ ^



ディクテーター 身元不明でニューヨーク (2012) 日本公開9/7 公式サイト・予告 
THE DICTATOR 監督 ラリー・チャールズ  象のロケット 
サシャ・バロン・コーエン (製作・脚本 兼) アンナ・ファリス 
ベン・キングズレー ジェイソン・マンツォーカス 
ミーガン・フォックス エドワード・ノートン ジョン・C・ライリー 

8.20.2012

いろいろ溶けてる・・ 「イントルーダーズ」



顔が溶けたような不気味なビジュアルは面白そうだったが、 見てみるとゴシックホラーな雰囲気。 娘ある身としては、 父と娘の絆にほだされて NGにはしないものの、 やや退屈な作品だった。

二つの時間、 二つの場所が交錯して、 一方はスペイン語、 一方は英語と凝った構成ではあるが、 スペイン語が父の時代ということは移民だった? ではなぜ、 箱に収められた物語は英語で書いた? さまざまに ぎくしゃくするストーリー運びは出資の関係でしかたないのか。 クライヴ・オーウェンもスペイン系には見えず。 。 演出も、 この瞬間のこの人の表情が見たい、 というところにカットが来ない・・ と溶けているのは顔だけではなかったようだ^ ^

少年・少女の顔を盗みにくる不気味なホローフェイスも それほど多くは登場せず、 フードを被ったヤツには今後も悪い予感を覚えそう^ ^ 監督の 「28週後...」 は悪くなかったんだけどね。 脳も溶けた?



イントルーダーズ INTRUDERS (2011 アメリカ・イギリス・スペイン) 日本未公開
監督 ファン・カルロス・フレスナディージョ 
クライヴ・オーウェン ピラール・ロペス・デ・アジャラ 
エラ・パーネル ダニエル・ブリュール 

8.13.2012

お徳用セット 「アベンジャーズ」



アイアンマンのようなハイテクヒーローからハルクのような怪物、 さらにはナターシャのような普通の人まで入り交じってのヒーロー戦隊アベンジャーズ、 「仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦」 とどちらが面白いか見比べてみた・・ くもないか^ ^ 予算は当然こちらのほうがかかっている。

お祭り映画を期待してたので地味な出だしにやや退屈する。 クライマックスは十分に盛り上がるが、 地球自体がヤバそうな敵に対し、 ヒーロー数人でマンハッタンの数ブロックだけの被害で抑えるなんてご都合主義すぎる気も^ ^ あまり詳しくないので中途半端なコメントは避けるが、 それぞれのオリジナルの物語を すっ飛ばして、 ただ登場してコラボするなんて、 ほとんど上のスーパーヒーロー大戦と同じノリ。 どうせなら、 もっと支離滅裂でもよかったか。

こうして見るとスーパーヒーロー数あれど、 スーパーヒロインは意外に少ないのか。 ワンダーウーマンに出てほしかったが、 あれはDCコミックか。 。 明日から、 乞うご期待。



アベンジャーズ Avengers (2012) 日本公開8/14 公式サイト・予告
監督 ジョス・ウェドン  象のロケット 
ロバート・ダウニー・Jr クリス・エヴァンス マーク・ラファロ 
スカーレット・ヨハンソン ジェレミー・レナー クリス・ヘムズワース 
トム・ヒドルストン グウィネス・パルトロー サミュエル・L・ジャクソン 

8.10.2012

老若貧富 「ハンガーゲーム」



本日は一足お先に、 4週連続1位の興行成績で話題となったこの作品、 何となくアイドル映画っぽくて 「トワイライト」 からハーレクイン・ロマンス臭を抜け落ちさせた感じかと想像していたが、 当たらずとも遠からず。 「バトル・ロワイヤル」 をロマンチックにした感じとも言える。

近未来、 富裕層に支配された世界というオツな設定で、 なぜかアーチェリーというクラシックな武器で戦うヒロイン カットニス。 どこにヒットの秘密があるのかと探りながら見たが、 意外に面白くて画面から目が離せない^ ^ 一歩間違えばブサイクに傾きそうなジェニファーのギリギリの顔がいいのと、 客の見たいところへすぐにカットが切り替わる、 かゆいところに手が届く演出。 そうした王道の部分かなという印象だった。

どんな手を使ってでも他人を蹴落とすのが富裕層なら、 愛と思いやりで意地を見せるのが貧乏人。 そんな構図も競争に疲れたアメリカで受けたのかもしれない。 日本では "とりあえず見とくか" 的ヒット程度は期待できそうだが、 いやらしいのはシリーズ化を見越した終わり方^ ^ アメリカは日本ほどティーンの数が減ってないのかなという雑感を得て、 そうすると もはや、 アメリカで当たったからといって老人社会の日本では・・ というパターンがすでにできつつある気もするが、 配給会社って考えてるのだろうか。 。



ハンガーゲーム The Hunger Games (2012) 日本公開9/28 公式サイト・予告
監督 ゲイリー・ロス 原作 スーザン・コリンズ  象のロケット 
ジェニファー・ローレンス ジョシュ・ハッチャーソン リアム・ヘムズワース
ウディ・ハレルソン エリザベス・バンクス レニー・クラヴィッツ 
スタンリー・トゥッチ ドナルド・サザーランド